この記事の目次

   

混合育児とは?

赤ちゃんへの授乳で、母乳を与えたあとにミルクを与える方法を「混合育児」や「混合授乳」と呼びます。

どんな授乳でも悩みは出てくるもの。 そして、この「混合育児」も悩ましいんです。 何を隠そう筆者自身が、混合育児に自信を持てなかった1人でした。

ミルクを足せば「母乳が足りないのかねぇ…」と心配されて、プレッシャーに。 ミルクを足さなければ(栄養は足りているのか!?)と悩んでしまう始末。 今となっては産後特有のナーバスな感覚だったとも思いますが、そんな時期だからこそ安心できる情報を知りたいものです。

そこで今回は書籍・育児雑誌・体験談を通して「混合育児」について調査しました。 混合育児に自信が持てないママの参考になったら幸いです。

   

授乳が楽に? 混合育児のメリット

今まさに混合育児に悩んでいる際は「母乳 or ミルクどちらかに切り替えたほうがいいんじゃないか…」と考えがちです。 しかし、混合育児には混合育児にしかないメリットがあります。

1.栄養不足への心配が軽くなる 2.夜、よく眠ってくれる場合がある 3.母乳育児と同じスキンシップを取り入れられる 4.赤ちゃんを楽に預けやすい 5.ママが疲れたときや風邪をひいたときに、授乳をミルクだけにできる

こうしてみると、混合育児は「完全母乳と完全ミルクのいいとこどり」のように感じられますね。

   

ミルクを飲まない!? 混合育児のデメリット

ほかの育児法と同様に混合育児にもデメリットはあります。

1.ミルクを足す量がわかりにくい 2.赤ちゃんが突然ミルクを飲まない・母乳を飲まないことがある 3.ミルクの用意や哺乳瓶の洗浄・消毒などに手間がかかる 4.ミルク代がかかる 5.外出時に哺乳瓶などの持ちものが増える 6.カフェインやお酒など、ママの飲食物に気をつけないといけない

このなかで、混合育児特有のデメリットは1と2です。 3~5は完全ミルクと同様の悩みですし、6は完全母乳のママにも言えることですね。

育児を始めたばかりのころは、特に「ミルクを足す量がわかりにくい」と悩むママが多くいます。

   

おっぱい不足が心配…ミルクを足す目安

授乳中のママにとって最大の心配事ともいえるのが「おっぱい不足」です。 おっぱい不足を解決するためにミルクを足す混合育児ですが、少ないと栄養が心配ですし、足しすぎたら太らないかどうか気になってしまいますね。

おっぱい・ミルクが足りているかどうかの目安は「赤ちゃんの体重」を確認することが重要です。

   

「体重の増加」と「赤ちゃんの様子」をチェック

主婦の友社から刊行されている「母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本」によると、赤ちゃんの体重が下記の目安で増えていれば、おっぱい不足の不安はありません。

生後0~3ヶ月ごろまで 1日30g (1ヶ月で900g) 生後4~6ヶ月ごろ   1日20g (1ヶ月で600g) 生後7ヶ月以降     1日10g (1ヶ月で300g)

授乳ごとに赤ちゃんの体重を測る必要はありません。 授乳単位・1日単位で観察すると、赤ちゃんによってはよく飲むときと飲まないときがあります。 あまり神経質にならないようにするためにも、1週間から10日に1度確認するのがおすすめです。

おっぱい不足をチェックするときは、体重と一緒に赤ちゃんの様子も見るようにしましょう。

おっぱい不足?チェックリスト □ 赤ちゃんは元気がいいですか? □ 母子手帳に掲載されている発育曲線に沿って体重と頭囲が増えていますか? □ 次の授乳まで2~3時間空きますか? □ おしっこやうんちがしっかり出ていますか?   (おしっこの回数が1日6回以上ありますか?)

このなかで当てはまらない項目があるなら、ミルクを足すことを検討しましょう。

とはいえ、自分で判断するのは難しい…と感じるママもいますよね。 そんな方は、母乳外来1か月検診・3ヶ月検診などで専門家に相談してから判断しましょう。

   

ミルクの足しすぎにも気をつけるべき?

赤ちゃんの体重の増え方によっては「ミルクを足しすぎ」とされることもあります。 こんな風に突然「ミルクを減らして」と言われて、戸惑うママもいることでしょう。

新生児訪問や健診で見てもらう方によっては、赤ちゃんの体重増加に細かい先生とおおらかな先生がいるようですね。 もちろん、成長曲線から大きく外れるほど赤ちゃんの体重が増えているようであれば、ミルクを減らして完全母乳に移行するのも1つの手段です。

保健師さん・助産師さん・小児科の先生からアドバイスされた場合、一旦スパッとミルクを止めて様子を見るか、少しずつ減らしてみて様子を見る方法があります。 「どうしてもスパッと止めるのが心配」というママは、1日5回足していたのを4回にする、30ml足していたのを20mlにする、といったように、少しずつ減らしてみてはいかがでしょうか?

こんなときはミルクを減らしてみましょう

 ●飲み過ぎて吐き戻している  ●3ヶ月以降も頻繁に授乳が続いている  ●離乳食が1日3食になっても小食で、授乳が多い

参考:「母乳育児ミルク育児の不安がなくなる本」(渡辺とよ子監修) 主婦の友社 参考:「ひよこクラブ 2018年10月号」ベネッセコーポレーション 参考:ユニ・チャーム  https://jp.moony.com/ja/tips/lesson072.html

   

授乳時間は? 授乳間隔は? 混合育児のすすめ方

ここで、混合育児の方法を再確認してみましょう。 今のやり方に自信が無い方は、こちらで確認してみてくださいね。

   

混合育児の基本

基本的に混合育児は、1回の授乳で、母乳を与えたあとにミルクを足します。 新生児期は30~40ml以上ミルクを足す必要がないと言われていますが、その後は赤ちゃんの様子を見ながらミルクを足していかなければなりません。 赤ちゃんの様子を見るときは、前述の「おっぱい不足?チェックリスト」や「こんなときはミルクを減らしてみましょう」を参考にしてくださいね。 母乳外来健診で相談して、定期的にアドバイスをもらうものオススメです。

   

新生児(生後0~1ヶ月)

母乳の授乳時間:1回につき、左右合計5分 ミルクの量:1回につき、30~40ml 1日の授乳回数:8~9回 授乳間隔の目安:2~3時間おき

   

生後1~2ヶ月

母乳の授乳時間:1回につき、左右合計10分 ミルクの量:1回につき、足りない分だけ 1日の授乳回数:8回 授乳間隔の目安:3時間おき

   

生後3~5ヶ月

母乳の授乳時間:1回につき、左右合計10分 ミルクの量:1回につき、足りない分だけ 1日の授乳回数:6~8回 授乳間隔の目安:3~4時間おき

   

離乳食を始めたら

母乳の授乳時間:1回につき、左右合計10~15分 ミルクの量:1回につき、足りない分だけ 1日の授乳回数:5~8回 授乳間隔の目安:3~5時間おき

離乳食後の母乳は、赤ちゃんが飲みたいだけ与えるのがポイントです。 離乳食の段階が進むにつれて、ミルクや母乳の量は減らすようにします。

   

【注意】ミルクに頼りすぎると母乳が出なくなるかも

混合育児であまりにミルクに頼りすぎると、授乳時間が極端に空いてしまい、母乳が止まってしまう場合があります。

長く母乳を与えたい」と思うのであれば、ミルクを足すときは「必要最低限の量」を見極めるように気をつけましょう。

毎日赤ちゃんの様子を見て、定期的に赤ちゃんの成長具合をチェックし、不安があれば母乳外来などの専門家へ相談してくださいね。

参考:「ひよこクラブ 2018年10月号」ベネッセコーポレーション 参考:「最強母乳外来 ママをたすける実践編!」(SOLANIN著)朝日新聞出版 参考: 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17.pdf

   

私が混合育児を選んだワケ!ママたちの体験談

最後に、混合育児を選んだママの体験談を紹介します。 あなたの不安に役立つ体験談もあるかもしれません! ぜひ読んでみてくださいね。

   

状況に合わせてミルクを選べるのが便利

出産直後から母乳が足りずに混合育児となりました。

◆混合育児で感じたメリット 外出のときや子供を預けるときなど、状況に合わせてミルクで対応できるのが便利でした。 混合育児で感じたデメリットはとくに無かったです。

安心して入院生活を送れた

産後すぐ、赤ちゃんがNICUへ入院し、母乳量が増えずに混合育児となりました。

◆混合育児で感じたメリット ミルクを足したおかげで赤ちゃんの体重がどんどん増えるので、入院中も安心して見守ることができました。 退院後、夫や家族にミルクを与える喜びを味わわせてあげられたのも嬉しかったです。

◆混合育児で感じたデメリット 自分が混合育児だったので、ミルクを与えることへの抵抗は全くありませんが、母乳推進派の方に傷つくことを言われたりもしました。自分自身「完全母乳のママが羨ましい」と感じることもありました。 また、赤ちゃんが食欲旺盛だったので、ミルク代がかなりかかりましたし、出掛ける際に哺乳瓶やお湯を持ち歩くのは大変でしたね。

混合育児のデメリットを感じた

生後間もなく、母乳が足りなかったため混合育児となりました。

◆混合育児で感じたメリット 出なくて仕方なく混合なのでメリットは感じていません。

◆混合育児で感じたデメリット 冬場は寒くて、授乳してミルクを作って、片付けまでおこなうのが大変でした。 母乳だと飲ませながら寝かせられると聞いてうらやましかったです。

誰にでもお世話してもらえるのがよかった!

自営業で人手不足もあり、産後すぐに働けるように混合育児を選びました。 忙しさによる母乳不足のせいもあります。

◆混合育児で感じたメリット 母乳だとママしか授乳できませんが、混合だと誰にでも赤ちゃんをお世話してもらえるのが助かりました。

◆混合育児で感じたデメリット ミルクを卒業するタイミングがわからず、2歳ごろまで飲ませていました。 寝かしつけにミルクを与えるなど、ミルクを与えることで安心感を強く感じていたんです。振り返れば、ミルクには時間とお金をかなりかけてしまったなぁ…と感じます。

   

それぞれのペースでOK! 混合育児に自信を持とう

混合育児」について紹介しましたがいかがでしたか?

…混合では赤ちゃんがすこやかに育たないんじゃないか? …完全母乳の赤ちゃんより、愛情不足になってしまうんじゃないか?

こんな風に思う必要はまったくありません!

ミルクに含まれる栄養には心から安心できますし、よく言われる「母乳不足=愛情不足」なんてことも科学的に証明されているわけではないんです。

母乳育児のよさミルク育児のよさ、どちらもゲットできるのが「混合育児」だと筆者は思います。 ミルクを足したり減らしたり…その都度赤ちゃんを観察して向き合う時間が、親子関係を深めていくのではないでしょうか。

混合育児の進め方は、家族それぞれのペースでいいんです。 ぜひ自信を持って混合育児に取り組んでほしいと願っています。

母乳に関する記事はこちら。 →「母乳の栄養成分は変化するって本当? いつまで飲ませるべき?」「卒乳の時期と方法は? 親子でムリなく卒乳しよう!」
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