わたしはこの色カードを作るのが好きでした。わたしの作り方は、きれいだと思った広告や、写真、雑誌を参考にし配色を再現するというもの。特に色のグラデーションをカードに落とし込むのが楽しくて、完成したカードが何束も残っています。
ひとくちにグラデーションといっても、W(ホワイト)を増やすだけでは「明るさ」の変化にしかならず、理想のカードはできませんでした。試行錯誤しながら理想の色カードができあがったときの感動や鳥肌がたった感覚は、いまでも鮮明に覚えています。もはや受験対策ではなく、いかに美しい配色を見つけるかという個人的な研究のようになっていました。
いまでは、当時目指していたデザイナーとして働くことが叶っています。すっかりデジタルで仕事をすることが多くなって、色カードに触れることは、もうあまりありません。ただ、形は変わってもあのときのような感動の発見にまた出会うために、毎日デザインしている気がします。