どれもしっくりとわたしの生活に馴染んで、すっかりスタメンと化しています。さぞきれいに保管されたものなのだろうという印象を受けた方も多いかもしれませんが、実際はそんなこともなく、母から譲り受けたバッグにはなぜだか生卵の大きなシミがついているし、ピアスはポスト部分が絶妙に曲がっています。
でもヴィンテージ品に魅力を感じるのは、まさにそこ。前の持ち主の生活の痕跡がどこかしらに残っていて、それを受け継ぎ、ふとした瞬間にその人の生活を想像できるところです。
ところで、母のバッグについたシミはどうして生卵だったのか。正解は、栄養学科の学生だった母が授業で使う生卵をバッグにそのまま入れて自転車に乗ったところ、卵が中で割れてしまったから。
慌ててケアしたけれどしっかり残ってしまったんだとか。こんな愉快なエピソードと垣間見える当時の暮らしぶりを感じることができるのも、ヴィンテージ品ならではの醍醐味だなあと、バッグに残る大きなシミを見るたびに感じるのです。