でも、わたしはせっかく一緒に食べるなら同じものを食べたかったんです。考えて考えて辿り着いたのが、クリームをビスケットで挟んだビスケットサンド。「クリームって甘すぎるから好きじゃないけれど、ビスケットで挟むとちょうど良くなるねぇ。」そんな風に笑って話してくれた祖母の笑顔が大好きでした。
大学生になり実家を離れたわたしが帰省するとなると、必ずそのビスケットサンドを用意して待っていてくれた祖母。心がじんわり温かくなったことをいまでも覚えています。
そんな祖母が他界して今年で3年。いま、わたしには3歳の娘がいます。離乳食期も終わり、色々なものが食べれるようになった娘とのおやつタイム。
一緒にお菓子を選ぶときは、決まって祖母との想い出が詰まったビスケットサンドを選びます。祖母とも娘とも、大切な人と時代を超えて同じものを食べられることに、ふと幸せを感じるのです。