そもそも髪って、なにで、どんなふうにできてるの?


 人の顔立ちを際立たせ、印象に大きな影響を与える髪。頭皮全体で10万本ほどあるとされていて、成分のほとんどはケラチンというタンパク質の一種。0.08mmともいわれる細い髪のなかは、ウロコ状に巻き付き髪を守るキューティクル、芯となるメデュラ、太さやコシに関係するコルテックスの3層からできています。


知っているようで知らない 髪の役割いろいろ

人の大切な頭部を衝撃から守ったり、暑さや寒さを防いだり……
なんとなく想像できる役割もありますが、ここでは改めて髪の本来の役割を見てみましょう。

1 直射日光を防ぐ

紫外線から頭皮を守ってくれます。特に髪の色素であるメラニンが紫外線を吸収し、頭皮へのダメージを減らしています。

2 体内の老廃物質を排出する

水銀、カドミウム、鉛などの有害物質を毛髪の内部に蓄積し、毛髪を通じて体外に排出してくれます。

3 衝撃を和らげる

衝撃の吸収剤としての役割も。髪の毛一本一本が柔軟で弾力があり、密集することで衝撃を分散し、頭部にかかるダメージを軽減します。

4 暑さや寒さから身を守る

脳を極端な温度変化から守っています。寒い時は頭皮の熱が逃げるのを防ぎ、逆に暑い時は直射日光を遮って過度な熱を頭に与えないようにします。



一般的なヘアサイクルのこと

 髪はどうやって生えてくるの?髪を早く伸ばしたいけど、どうにかならないの?などなど、ヘアサイクルにまつわる疑問は意外と多いもの。知ることで悩みが減るかもしれませんよ。


発毛
休止期に入り抜け落ちた髪のあとから、新しい髪が生えてきます。



成長初期
栄養を髪に送るための毛乳頭を毛根が抱え込み、細胞分裂を繰り返してぐんぐん成長します。



成長期
髪の成長期は5~6年間。毛根のなかで毛乳頭が髪へ栄養を送り込むことで、髪が太く成長します。



退行期
この期間は2~3週間。細胞の分裂が止まり毛根が少し押し上げられます。毛乳頭からも切り離されます。



休止期
休止期は2~3ヶ月あり、次の発毛の準備が整ったら表面に押し上げられ、抜け毛となります。



まつ毛のサイクルも髪と同じ?


 髪のように長く伸びることはないまつげ。まつげの場合は、発毛から脱毛までのサイクルが3〜5ヶ月で、成長期はたったの4週間、長さが伸びない休止期が4ヶ月ともいわれています。1日に伸びる長さは約0.1〜0.18mm。少しずつ伸びて、一定の長さが保たれるようになっています。



髪へのダメージの原因あれこれ

 日常生活の中にたくさん隠れている髪へのダメージ原因。強くしなやかな髪を保つためには、少しでもダメージのもとを取り除くことが大切です。代表的なダメージ原因を確認していきましょう。

01 摩擦
無理なブラッシングや就寝時の枕との摩擦は、キューティクルがはがれる原因になります。

02 熱
髪はとても熱に弱いもの。ドライヤーやヘアアイロンなどの熱も、ダメージにつながります。

03 紫外線
髪にとっても紫外線は大敵。キューティクルのタンパク質を変性させてしまいます。

04 カラー・パーマ剤
カラー剤やパーマ剤はアルカリ性。一方髪は弱酸性なのでアルカリ性のものに弱く、キューティクルがはがれる原因に。


代表的な髪のトラブル3パターン

01.白髪


白髪は30代から増えはじめることが多く、ストレスや栄養不足が原因のことも。遺伝により白髪が増えやすい体質もあります。髪のメラニン色素が抜けてしまっているので、マッサージなどで頭皮の血行を促進し、毛根を刺激することが大切です。


02.パサつき・切れ毛


パーマやカラーの薬剤で髪のなかのタンパク質が溶け出したり、紫外線が原因でタンパク質が変性しておこりやすいトラブルです。丁寧に扱い、トリートメントなどでうるおいを補給しつつヘアコート剤で保護するのがおすすめです。


03.フケ・かゆみ


頭皮は皮脂の分泌が多く、フケやかゆみの原因になりがちです。シャンプーをするときは髪だけを洗うのではなく頭皮を揉むように洗い、しっかりとすすぎましょう。思春期などのターンオーバーが活発な時期は、悩みやすい時期でもあります。



いまから知っておきたい 薄毛のこと

 最近では加齢やストレスの影響で女性が悩む症例も増加している薄毛。局所的ではなく全体的に薄くなっていくのが女性の薄毛の特徴で、40代以上で気になりはじめるのが一般的です。

薄毛がはじまるかも?要注意チェックリスト

女性が悩む薄毛、原因はなに?

cause01:血行不良

ストレスを感じたりカラダが冷えていたりで血行不良が続くと、髪に栄養が行き渡らなくなり薄毛の原因に。

cause02:女性ホルモンの減少

女性ホルモンにはヘアサイクルを整える働きがあります。閉経によってホルモンバランスが乱れたり、食生活の乱れで女性ホルモンが減ってしまうと、薄毛の原因になることも。


知っておいて損なし!女性の薄毛対策あれこれ

solution01:ヘアケアを見直す


いつものヘアケアに頭皮マッサージを追加したり、いままで以上にすすぎ漏れに気をつけたりして、頭皮環境を改善してみて。年齢が若い場合は、規則正しい生活習慣も効果的ですよ。


solution02:女性ホルモンを補う


女性型の薄毛の場合、大豆に含まれる「大豆イソフラボン」を意識して摂取するのがおすすめ。植物性エストロゲンと呼ばれていて、女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きをしてくれます。


まとめ

髪のトラブル、思いあたるものはありましたか?
一気に良くなったことが目に見えにくい部分ではありますが、こまめなケアがきっと未来の自分に戻ってくるはず。できるところから取り入れて、ずっとキレイな髪を保ちたいですね。