女性ホルモン基礎知識講座
そもそも、女性ホルモンって?どんな役割なの? カラダの中でさまざまな器官をコントロールしているホルモン。成長ホルモンなどは、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 女性ホルモンも、成長ホルモンと同じように体内で分泌され、女性特有のカラダつきやリズムに影響を与えています。そんな女性ホルモン、実はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の二種類あることをご存じですか? エストロゲン エストロゲンは成熟した卵胞から分泌され、子宮内膜を厚くするなどの妊娠の準備が主な役割。 付随して髪や肌のツヤを保つ役割もあるため、別名『美容ホルモン』とも呼ばれています。ただこのエストロゲン、二十代から三十代前半をピークにどんどん減少してしまうため、後のプレ更年期につながってしまうんです。 ・妊娠しやすいよう、子宮の準備をする ・女性らしいカラダをつくる ・コラーゲンの生産を促す ・自律神経を安定させる プロゲステロン 一方プロゲステロンは卵胞から排卵後に分泌され、妊娠の継続をつかさどります。妊娠が成立しなかった場合は子宮内膜を剥がして子宮内をきれいにし、次の妊娠に備えます。これが月経です。妊娠の継続に大きな影響があるため、別名『母のホルモン』とも呼ばれているんですよ。 ・子宮を妊娠しやすい状態に保つ ・受精卵が着床した場合、妊娠の維持をする ・体温を上げる このように、女性のバイオリズムと切っても切れない関係にある女性ホルモン。漠然と感じていたカラダの不調やメンタルのゆらぎは、このホルモンの影響かもしれません。また、年齢を重ねるだけでなく、日々の生活の不摂生もホルモン量を減らす原因に。規則正しい生活習慣を身につけることも大切ですよ。 月経周期と女性ホルモンのサイクル 女性ホルモンの調整によって、心身のバランスもゆらぎがちな女性のカラダ。月経周期に合わせたホルモンの影響を理解して、ゆらぎの波を上手に乗り切りましょう。 月経周期 月経期 妊娠が成立しなかったときは女性ホルモンの量が急激に減少し、月経が始まります。 正常な出血日数は3〜7日。 卵胞期 排卵に備えてエストロゲンの分泌が増えるため、一ヶ月の中で心身のバランスがよく、肌も好調な時期です。 排卵期 妊娠に向けて排卵が起こり、卵子が卵管を移動します。受精できなかった卵子はそのまま消滅。 プロゲステロンの分泌が始まるため、体調が不安定になりがち。 黄体期 プロゲステロンの影響で体温が高くなり、子宮内膜を厚くして妊娠に備えます。心身が不安定になりがちで、この時期の女性の不調を月経前症候群(PMS)と呼びます。 妊娠が成立していた場合は、エストロゲンの分泌が抑えられ、プロゲステロン優位となって妊娠を維持します。 もしかしてその不調、プレ更年期かも? 更年期と聞くと閉経のイメージが強いことから、自分にとってはまだまだ先のことと考えがち。 でももしかするとあなたのその不調、女性ホルモンの減少が原因で起こるプレ更年期の症状かも……? 更年期、プレ更年期って? そもそも更年期とは、閉経前後の5年ずつのこと。日本人女性の平均閉経年齢は50歳前後なので、45〜55歳の多くの女性が更年期を迎えます。更年期にホルモン分泌の異常で現れる症状のことを更年期障害と呼ぶので、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 更年期障害の主な症状は、ホットフラッシュと呼ばれるのぼせやほてり、動悸が激しくなる、めまいなどはもちろん、肌の乾燥や手足のしびれ、尿もれや肥満など多岐に渡ります。 そしてこの更年期障害、更年期だけに起こるのではないんです。30代後半から40代にかけて卵巣機能が衰えてくると、更年期前にも関わらず更年期障害と似た症状が出る人も。この期間がプレ更年期と呼ばれています。 このところ、なんだか調子が悪い?プレ更年期診断チェックリスト カラダ編 こころ編 ■チェックの数が3個以下… 女性ホルモンのバランス◎! この状態をキープしましょう。 ■チェックの数が5個以下… ややプレ更年期の傾向あり。 生活習慣を見直してみて。 ■チェックの数が7個以下… プレ更年期の症状がでています。 漢方などを検討してもいいかも。 ■チェックの数が10個以下… すでにプレ更年期に突入しているかもしれません。 一度病院で相談してみましょう。 生活習慣を整えて女性ホルモン力をアップしよう! 女性ホルモンに正しく働いてもらうための、食事と睡眠のコツをチェック!ぜひ、取り入れられるものから挑戦してみてくださいね。 食事編 -- FOOD -- 現代の女性は、基本的に栄養不足。その背景には、過度なダイエットや働く女性の食生活の質の低下があるといわれています。女性ホルモンの働きを活性化させたいなら、食べることは必須。とはいえ何かと忙しいことだって多いですよね。 そんなときは、簡単に食べられるものをストックしておくのがおすすめ。それから、女性ホルモンをつくるためには質の良い油も大切。オメガ3脂肪酸を含むアマニ油やえごま油は熱で酸化しやすいので生のまま取り入れて。加熱しても使えるオリーブオイルは常備しておくと使いやすいですよ。 タンパク質 植物性だけでなく、動物性タンパク質も毎日必ず取り入れて。 オイル オリーブオイルはドレッシングにしたり、手軽に取り入れやすい。 大豆製品 大豆イソフラボンを含む食品も◎ 睡眠編 -- SLEEP -- 質のよい睡眠は女性ホルモンの分泌に欠かせません。眠りに関わるメラトニンというホルモンは朝日を浴びてから15時間後に分泌量が増加します。目から光が入るとメラトニンの分泌量が減って目が冴えてしまうため、テレビや携帯、パソコンなどの電気機器は就寝前の数時間は控えるのが◎。 また、実は睡眠時の寝間着も睡眠の質に大きな関わりがあるんです。温度的な心地よさ、寝返り時のカラダの動かしやすさなどを考慮して選んでくださいね。眠る前にリラックスできるアロマを使うのもおすすめ。 本 寝る前は携帯NG。本などへ切り替えましょう。 アロマ リラックスできる香りは睡眠の強い味方です! 寝間着 綿やシルクなど天然の素材のものがおすすめ。2025.06.10
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