過去・現在・未来を繋いでくれる、ふるさとの味「笹巻き」。
みなさんにとって、ふるさとの味ってどんなものですか?私にとっては「笹巻き」です。笹巻きとは私のふるさと、島根県に伝承される郷土料理のこと。毎年、笹の新葉が大きくなる5月上旬~6月中旬頃になると祖父が近くの山から笹をとってきて、一家総出で笹巻きをつくる。当時9人家族だった我が家の年一回の恒例行事、笹巻きをつくる日は、いつも以上に大騒ぎだったのを覚えています。芸術的な見た目もそうですが、茹でたときに香る笹の香りがとても特徴的で、たまらなく美味しいのです。 ふるさとを離れて早12年。いまでも笹の季節になると、実家の両親から笹巻きが送られてきます。夫とふたりでは食べきれず、会社に持っていくのがお決まりのパターン。お昼休みに茹で、スタッフみんなにふるまいます。そこで「美味しい!」「今年も待っていました!」という声を聞くのが楽しみです。 福岡という土地で、私が生まれ育った島根の、ふるさとの味を美味しいと言ってもらえる。それがどれだけ嬉しいことか。家族との思い出と一緒に会社のみんなとの思い出もつくってくれる、私にとって「笹巻き」は過去と現在、未来を繋いでくれる大切な宝物なのです。2025.10.24
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